ラインナップの中で特に異彩を放っているのが、実在の国際金融スキャンダルを題材にしたハイブリッド作品群だ。従来の調査報道ドキュメンタリーが持つ冷徹な事実追及の切れ味に、洗練されたサスペンス・ドラマの脚本術を掛け合わせる試みが進められている。
フェイクニュースが氾濫する世の中で、観客は何を「真実」として受け取るのか。制作陣は実際の流出公電や当事者の証言テープを劇中にインサートし、フィクションとノンフィクションの境界を意図的に撹乱する。単なる娯楽の枠を突き破り、社会構造の暗部をえぐるような知的刺激を観客に突きつける設計だ。視聴覚の快楽だけでは満足できなくなった目の肥えたオーディエンスに対し、強烈な一撃を見舞う準備が着々と整っている。