二人の交わした約束は、時を超えて原作最終巻・第205話「幾星霜を煌めく命」にて最高の形で結実します。
平和な現代日本の街角並びにメガ盛りの繁盛店として描かれる定食屋。そこを営んでいるのが、生まれ変わった伊黒小芭内と甘露寺蜜璃の夫婦です。
現代の蜜璃は相変わらずの大食いで、厨房で料理を振るう夫の伊黒は、蛇の形をした置き物を飾りつつ、妻の胸元を覗き込もうとする客に包丁を突き立てるほどの過保護ぶりを見せています。大正時代では叶わなかった「一緒にご飯をたらふく食べ、夫婦として平穏に寄り添い合う」という夢が、完全な形で果たされた救済の結末です。
【プロの結論】「おばみつ」が現代の読者にこれほど深く愛される理由
社会心理学や物語論の観点から見ると、伊黒と蜜璃の関係は「自己肯定の回復と無償の受容」という極めて純度の高い愛の形態を描いています。トラウマと罪悪感に苛まれていた伊黒が、他者を偏見なく愛せる蜜璃によって魂を救済され、一方で「普通と違う」ことに苦しんできた蜜璃が、伊黒によって一人の女性として尊ばれる――互いが互いの最大の理解者であった構造こそが、連載終了から年月を経てもなお読者を惹きつけ続ける要因と言えます。