設備やリクルートのハンデを背負いながら、公立校はいかにして私立メガ私学に立ち向かっているのでしょうか。近畿地方の公立校で指揮を執るベテラン監督は、取材に対して次のように現場のリアルを語ります。
「私立強豪校との間にある施設や体格の差を嘆いても何も始まりません。私たちはタブレット端末を用いた配球分析や、徹底した走塁意識の改革で1点を毥い取る野球を磨いています。道具や測定器が高価で買えなくても、フリーの解析アプリを駆使してフォームを科学的に分析する。ハンデを言い訳にしない工夫こそが、球児たちを人間的に大きく成長させます」(公立高校野球部監督)
SNSや知恵袋などのコミュニティでも、「私立の野球留学や特待生だらけのチームより、地元の公立高校が知恵を絞って強豪を倒すジャイアントキリングにこそ高校野球のロマンがある」という投稿が毎年何万件も拡散され、高い共感を呼んでいます。ファンが「公立の背負うハンデ」に注目するのは、単なる判官びいきではなく、理不尽な格差に立ち向かう若者の姿に自らの人生を重ね合わせているからにほかなりません。