相撲の髷と階級の鉄則|大銀杏を結える条件とざんばら髪の裏側

相撲の髷と階級の鉄則|大銀杏を結える条件とざんばら髪の裏側

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土俵上の力士の威容を支えているのが、日本相撲協会に所属する専属の結髪職人「床山」です。実は力士の世界だけでなく、床山自身にも厳格な番付が存在します。

床山は入門すると「見習」からスタートし、五等、四等、三等、二等、一等と昇格を重ね、最終的に最高位の「特等床山」へと至ります。この等級は経験年数と卓越した技術によって日本相撲協会から認定されます。

大銀杏を結う技術は極めて高度です。力士の頭皮に「オーミすき油」と呼ばれる芳香豊かな独自のびん付け油を馴染ませ、複数の櫛(荒櫛、筋櫛、前髪揃えなど)を使い分けながら髪の毛の一本一本をミリ単位で整えていきます。最後に和紙で作られた強靭な「元結」を歯で噛み締めながら渾身の力で引き締め、銀杏の先端を美しく左右対称に広げます。

幕下以下の若い床山は、普段は若い衆のちょんまげを結うことで修行を積み、番付が上がって初めて関取の大銀杏を担当することが許されます。横綱や大関の土俵入りの大銀杏を担当できるのは、数十年のキャリアを誇る一等床山や特等床山などのごく一部の職人に限られています。

土俵に向かう直前の支度部屋で、力士と床山が一言も交わさず鏡越しに集中を高め合う時間は、大相撲が守り続けてきた美意識の神髄と言えます。

吉田 誠
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吉田 誠

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