小林誠司と広島を語るうえで、絶対に外せないピースが広陵高校時代のチームメイトであり、カープ一筋で2024年に現役を引退した野村祐輔との関係性です。2人がバッテリーを組んだ2007年夏の甲子園は、高校野球ファンの間で今なお語り草となっています。
当時、エースナンバーを背負った野村祐輔と、扇の要として絶大な信頼を寄せられた小林誠司。2人は抜群のコンビネーションで勝ち上がり、決勝の佐賀北高校戦へと駒を進めました。あのがばい旋風の逆転劇の末に準優勝に終わった瞬間、グラウンドに崩れ落ちたバッテリーの姿は、多くの野球ファンの胸を締め付けました。当時のテレビ特番や雑誌インタビューで野村が語った「誠司のサインだったから信じて投げた」という言葉、そして敗戦後に小林が見せた涙は、単なるチームメイトを超えた魂の絆として記憶されています。
プロ入り後、野村は2011年ドラフト1位で広島へ、小林は同志社大学・日本生命を経て2013年ドラフト1位で巨人へ入団。別々の道を歩みながらも、オールスターゲームで再会して再びバッテリーを組んだ際には、マツダスタジアムが地鳴りのような歓声に包まれました。広島ファンにとって「プロの舞台で再び野村と小林のバッテリーを見たい」という願いは、長年にわたる情緒的な宿願であり、それがカープ移籍の噂を生み出す最大のエネルギー源となってきたのです。