ネット上や一部の言説では「栗林忠道は米軍に媚びた親米派だった」「最初から特攻精神を否定する冷徹な合理主義者だった」といった極端な解釈が見受けられますが、これは歴史の文脈を見誤った誤解です。
栗林がアメリカを熟知していたのは事実ですが、それは迎合ではなく「敵の強大さを正確に認識し、無駄な損害を避けるための冷徹なリアリズム」でした。また、精神論を否定したのも兵の命を粗末にしないためであり、本土決戦の準備時間を一日でも長く稼ぐという国防上の最高責務を果たすための究極の覚悟でした。情緒的なヒロイズムではなく、現実の数字と地形を見据えたリアリストであった点こそが、栗林の真価です。