現場取材班が新宿サザンテラスや西新宿の路上で収集した鑑賞体験者の証言からは、都市ならではのリアリティが浮かび上がってきます。
「神宮球場の花火は、残業終わりに甲州街道の橋の上からふと見えるのが最高。5回裏のほんの2〜3分間だけですが、コンクリートの街に突然パッと大輪が開いて『ドン』と遅れて音が響く。あの瞬間だけ新宿の殺伐とした空気が和らぐんです」(30代・IT企業勤務男性)
一方で、入念に計画したにもかかわらず苦い経験をした声も少なくありません。
「神宮外苑花火大会の日に、西新宿の某タワービルのレストランを予約しました。夜景は最高でしたが、打ち上げ場所の目の前に新しく建設された複合ビルがちょうど被ってしまい、見えたのはビル壁面に反射する赤い光と、窓を揺らす振動音だけ。1人3万円のコースだっただけにショックが大きかった。都心のビル再開発スピードを甘く見てはいけないと痛感しました」(40代・会社経営者)
新宿の景観は日々刻々と変化しています。昨日まで綺麗に見えていた隙間が、新たな超高層タワーの建設によって遮蔽されることは日常茶飯事です。ビル内施設を予約する際は、「神宮方面の視界を遮る新築タワーが存在しないか」を最新のフロアマップおよび店舗スタッフへ直接問い合わせて事前確認することが不可欠です。