任天堂のオールスター対戦アクション『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおいて、ピーチ姫の下着描写は作品を重ねるごとに最も劇的な変化を遂げた要素の一つです。2001年にゲームキューブ向けに発売された『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では、ポーズ画面のフリーカメラ機能を用いることで、ピーチ姫のスカートの中(レースが施された白い下着)が明確にモデリングされていました。当時はまだ3Dグラフィックの黎明期であり、ポリゴンの作り込みの一環として細部まで描かれていたのです。
しかし、2008年の『大乱闘スマッシュブラザーズX』以降、この仕様には段階的なメスが入ります。キャラクターの真下からカメラを回り込ませようとすると強制的にフェードアウトするアングル制限が導入され、さらに2018年発売の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(スマブラSP)』では、スカートの内部が完全に真っ暗なテクスチャで塗りつぶされる、通称「暗黒空間」と呼ばれる徹底した不可視処理が施されました。
この仕様変更の根底にあるのは、国内外のレーティング審査基準の厳格化です。日本国内の審査機関であるCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)において「全年齢対象(CERO A)」を維持するためには、アンダースカート内の描写や偶発的な下着の露出すらも「軽微な性的表現」として審査上のリスク要因となります。北米のESRBや欧州のPEGIでも同様の基準が設けられており、世界中で親しまれるフラッグシップタイトルとして、任天堂によるCERO規制およびグローバル倫理規定への徹底した適合が図られた結果と言えます。