世界貴族(天竜人)の頂点に君臨する五老星は、なぜ「ヒトヒトの実 モデル“ニカ”」という真実を隠し、わざわざ「ゴムゴムの実」という別の名前を与えて歴史の闇へと葬り去ったのでしょうか。その根底には、世界政府の体制を根底から揺るがしかねない「空白の100年」と「ジョイボーイ」の思想の復活に対する根源的な恐怖が存在します。
世界政府にとって最も危険なのは、ニカが象徴する「人々を支配と抑圧から解き放つ力」と「自由の精神」が世界中に伝播することです。世界政府が築き上げた厳格な身分統制と情報統制のディストピアにおいて、「太陽の神」の復活は反乱の旗印となり、世界の秩序を崩壊させる引き金となり得ます。そのため、彼らは悪魔の実の図鑑からニカの名を抹消し、単なる「身体が伸びるだけのゴムゴムの実」として記録を改竄しました。
興味深い点として、五老星は「動物系の実には意思が宿る」と語り、過去800年にわたり世界政府が回収を試み続けたものの、まるで実自体が政府の手から逃げ回るかのように手中に収めることができなかったという事実を明かしています。この事実こそが、悪魔の実そのものが歴史を紡ぐ主体であるという『ONE PIECE』の世界観における極めて深遠な設定を示唆しています。