SNSやネット掲示板、カルチャー界隈における上出遼平氏への評価は、熱狂的な支持と同時に、その活動スタイルに対する危惧の声も含め多角的な議論がなされています。
ポジティブな評価として圧倒的に多いのは、「迎合しない圧倒的なリアリズム」と「取材対象への真摯な眼差し」です。「貧困や暴力を可哀想なものとして見世物にせず、同じ一人の人間として飯を食う姿を映す姿勢に胸を打たれた」「言葉の選び方が文学的で、ナレーション一つで世界観に引き込まれる」といった声が視聴者や読者から多数寄せられています。同業の映像作家やジャーナリストからも、単身で現場に突入する覚悟と編集センスに対して「同世代で最も尖ったディレクター」と称賛されています。
一方で、ネット上では「見ていて命の危険を感じてヒヤヒヤする」「コンプライアンスが厳しい現代において、いつか取り返しのつかないトラブルに巻き込まれるのではないか」といった取材手法の過激さに対する懸念も一部存在します。また、彼の内省的で哲学的な語り口に対して「やや自意識過剰に感じる」という冷めた見方もゼロではありません。しかし、そうした毀誉褒貶を巻き起こすこと自体が、毒にも薬にもならない無難なコンテンツが溢れる現代において、彼が本物の作家である証左といえます。