トーナメント表が発表された際、一般の高校野球ファンが陥りがちな最大の誤解は、「第1シードを引いた強豪校はベスト4まで順風満帆である」という先入観です。岐阜大会の歴史と地理的環境を紐解くと、そこには2つの危険な落とし穴が存在します。
第1の盲点は、岐阜県特有の気候条件(日本有数の猛暑)です。多治見市をはじめとする東濃地方や濃尾平野の岐阜市周辺は、夏場に日中気温が38度〜40度近くまで上昇することが珍しくありません。人工芝の長良川球場ではグラウンドレベルの体感温度が45度近くに達することもあります。シード校であっても、初戦で粘り強い公立校相手に投手が熱中症の初期症状を見せたり足をつったりした場合、一瞬で試合の主導権が入れ替わります。
第2の盲点は、岐阜大会歴代優勝校と経緯に見る「ノーシード爆弾」の破壊力です。秋や春の大会で主力投手を怪我で欠いていた伝統校(市岐阜商や大垣商など)が、ノーシードで第1・第2シードの直近ブロックに滑り込んでくるケースが多々あります。過去のデータを見ても、シード校が初戦または3回戦でノーシードの古豪に足をすくわれる「波乱」は4〜5年に1度の頻度で発生しており、トーナメント表の序盤に潜む実力校の配置を見落としてはなりません。