長年親しまれてきた蛍光灯が姿を消す決定打となったのは、スイス・ジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約」第5回締約国会議(COP5)での国際合意です。環境汚染や健康被害を防止する目的から水銀添加廃製品の規制が劇的に強化され、直管形を含むすべての一般照明用蛍光ランプの製造および輸出入が2027年末までに完全禁止されることが正式決定しました。これが産業界で叫ばれる「2027年問題」の法的な根拠です。
蛍光灯製造中止の理由は単なる企業の経営判断ではなく、地球規模の環境規制への適応に他なりません。これを受け、国内市場を牽引してきたパナソニックは蛍光灯の生産終了ロードマップを前倒しで進め、直管蛍光ランプの主要品番を順次終息させています。同様に東芝ライテックの蛍光灯生産終了も完了期日を定めて進んでおり、大手電機メーカーの生産拠点はすでにLED専用ラインへの完全シフトを遂げています。
公の場で行われた業界団体の定例会見資料によると、「条約で禁じられるのは製造と輸出入であり、2027年以降も既存在庫の流通や使用自体が直ちに違法化されるわけではない」とされています。しかし、現場の実態は遥かに深刻です。メーカーの製造停止と流通在庫の急減速により、「切れた蛍光管を1本だけ買い足す」ことすら極めて困難な相場環境が2026年中に定着しつつあります。