毛穴を隠したいのに、ファンデーションを塗ると余計に目立ってしまう最大の原因は、「凹凸の段差に顔料が溜まり、光の反射ムラが生じること」に集約されます。肌表面のキメは約50〜100μm(マイクロメートル)の微細な凹凸ですが、皮脂分泌の盛んな鼻周りやすり鉢状に開いた頬の毛穴は、直径が300〜500μm、深さも200μm近くに達する場合があります。
カバー力の高いファンデーションを肌全体に均一な厚みで伸ばしてしまうと、平坦なキメの部分には薄く膜が張る一方、毛穴のくぼみには粉体(顔料)が多量に入り込みます。その結果、くぼみのフチにファンデーションの境目ができ、上からの室内照明や外光を受けることで深い影(陰影差)が形成され、素肌のときよりも毛穴の輪郭がクッキリと浮き上がってしまうのです。
さらに、多くの人が陥るのが「拡大鏡バイアス」と呼ばれる心理的な罠です。メイク時に拡大鏡を使って数センチの距離で毛穴を確認しながらファンデーションを塗り込むと、どうしても塗布量が限界を超えてしまいます。対面時の自然な距離(50cm〜1m)で見たときには、過剰な粉体がヨレて厚化粧感だけが際立ち、清潔感を損なう結果に直結します。