喉の白いできものの正体は?痛くない臭い玉の危険性と受診基準を徹底解説

喉の白いできものの正体は?痛くない臭い玉の危険性と受診基準を徹底解説

喉の白いできものの正体は?痛くない臭い玉の危険性と受診基準を徹底解説について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。

「熱もなく、激しい痛みもないが、喉の奥の白いできものが何週間も消えない」という喉の白いできものが治らない経緯を辿っている場合、膿栓や急性感染症以外の病態を真剣に疑う必要があります。その一つが、カビの一種であるカンジダ菌が異常増殖する咽頭カンジダ症の症状と治療です。

カンジダ菌自体は健康な人の口腔内にも存在する常在真菌ですが、気管支喘息の治療で吸入ステロイド薬を使用している人、長期間にわたり広域抗菌薬を内服している人、糖尿病を患っている人、あるいは加齢に伴い唾液分泌量や全身免疫が低下している人において日和見感染を起こします。咽頭粘膜にミルクの絞りかすのような白い苔が点状・膜状に付着し、剥がそうとすると下から発赤した粘膜が現れ、ジクジクとした軽い痛みや乾燥感を覚えます。治療には、うがい薬タイプやシロップ状の抗真菌薬(アムホテリシンBやミコナゾール等)を局所に保持するように含嗽・内服し、基礎疾患のコントロールを並行して行います。

さらに慎重な見極めを要するのが、喉の口内炎が白くてなかなか治らない理由とその鑑別です。通常の良性アフタ性口内炎であれば、ビタミン不足や粘膜の微小な物理的損傷、疲労が引き金となって生じても、7日から10日前後で自然に粘膜が修復されます。しかし、同一箇所に2週間以上とどまり続け、徐々に硬さを増していく病変が存在する場合、前がん病変である「白板症(はくばんしょう)」、さらには喉の白いできものから癌の可能性を視野に入れた精密診断が必要となります。

近年、喫煙や大量飲酒を原因とする従来の頭頸部癌に加え、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染に関連した中咽頭癌が比較的若い世代にも増加傾向を見せています。癌性の病変は、初期には表面が白くただれたり、イボ状に隆起したりするだけで、痛みをほとんど発しないケースが珍しくありません。「痛くないから安全」と思い込んでいるうちに病変が組織深部へ浸潤し、頸部リンパ節への転移をきたして首のしこりとして初めて発見される悲劇も現実に存在します。2週間を超えて形状が変わらない、触れると硬い芯のような感触がある、あるいは片側の扁桃だけが不対称に肥大している場合は、単なる口内炎や膿栓と自己診断してやり過ごすことは絶対に避けなければなりません。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。