地元旅行業界や九州在住者が最も強く関心を寄せているのが、ハワイ(ホノルル)およびグアム路線の完全復活です。かつてハワイアン航空やデルタ航空が福岡ーホノルル線を運航し、ユナイテッド航空が福岡ーグアム線をデイリー運航していた時代を知る旅行者からは、「なぜここまでアジア便が増えているのに、アメリカ系リゾート直行便は戻らないのか」という疑問の声が絶えません。
航空会社経営陣の取材や航空運賃アナリストの分析によると、復活を阻んでいる構造的要因は明確に「為替変動に伴う日本人アウトバウンド需要の減退」と「インバウンド需要のアンバランス」にあります。福岡発着のアジア路線が好調なのは、日本からの出国者だけでなく、韓国・台湾・東南アジアから福岡へ訪れる外国人旅行者が座席の過半数を埋めているためです。双方向の旅客フローが成立しているからこそ、航空会社は路線を維持・拡大できます。
一方、ホノルル便やグアム便は旅客の9割以上が「日本発の旅行者」で構成される極端な片道需要路線です。歴史的な円安基調が続き、現地滞在費が高騰するなかで、地方発の定期便として通年で75%以上のロードファクター(座席利用率)を維持し、かつ高単価な座席を販売し続けることは、エアラインにとって極めてリスクの高い賭けとなります。
関係者の証言によると、大手旅行会社によるゴールデンウィークやお盆、年末年始に限定したチャーター便プログラムは実績を重ねているものの、定期便として毎日または週数便を固定運航する決断には至っていません。福岡国際空港株式会社(FIAC)による着陸料減免などの誘致インセンティブ策と、機材の小型化(エアバスA321XLRなどの長距離狭胴機の導入普及)が噛み合わない限り、通年の定期直行便再開には慎重な見通しが支配的です。