いざジャムを作ろうとした際、冷蔵庫にレモン果汁が見当たらないケースは珍しくありません。「レモン汁なしでも作れるのか」という疑問に対し、調理科学の観点から答えを述べると、「作れなくはないが、とろみが弱くなり、甘ったるく平坦な味になりやすい」のが実情です。
ブルーベリー自体にも一定の酸味とペクチンが含まれていますが、品種や収穫時期によってその含有量は大きく変動します。ペクチンが強固に結合するためにはpHを約3.0前後に下げる酸の存在が欠かせません。レモン汁を切らしている場合は、台所にある調味料で代用が可能です。
最も優秀な代用品は「リンゴ酢(アップルビネガー)」です。果実由来の酢であるためブルーベリーの芳香を邪魔せず、マイルドな酸味が味を引き締めてくれます。使用量はレモン汁と同量の小さじ1(5ml)で十分です。一般的な穀物酢や米酢も酸度調整としては機能しますが、加熱時に特有のツンとした匂いが立ち上りやすいため、小さじ1/2程度に抑えるのがコツです。
また、粉末の「クエン酸(食添用)」があれば、耳かき1〜2杯(約0.5g)を少量の水に溶いて加えるだけで、極めてクリアな酸味を付与できます。柑橘系のジュース(100%グレープフルーツ果汁など)も代用可能です。