本作が社会現象と呼ばれるほどの大ヒットを記録した最大の要因は、キャスティングの完璧な調和にあります。主演ふたりの瑞々しいビジュアルだけでなく、確かな演技力に裏打ちされた細やかな感情表現が、劇中の切ない世界観を力強く牽引しました。
主人公イ・ヨン世子を演じたパク・ボゴムは、少年のような無邪気な笑顔から、政敵を一瞥で射抜く冷徹な君主の眼差しまで、変幻自在の表現力を披露。当時の制作発表会見やメディアのインタビューにおいて「世子の背負う孤独と民への情熱を理解するため、日夜台本と歴史書を読み込み、指先の動き一つまで意識した」と語っている通り、気品あるツンデレ世子像を唯一無二の魅力で確立しました。
ヒロインのホン・ラオンを演じたキム・ユジョンは、子役時代から培った圧倒的な演技力を遺憾なく発揮。男性の内官として振る舞うコミカルな身のこなしから、女性としての切ない恋心、そして宴で見せた伝説の「独舞」シーンにおける息を呑むような妖艶さまで、視聴者を完全に虜にしました。
脇を固める男性陣のブロマンスと切ない恋情も見逃せません。B1A4出身のジニョンが演じた名門子息キム・ユンソンは、家柄の宿命に抗いながらラオンを見守り続ける姿が「完璧なサブ男性主人公」として熱烈な支持を集めました。また、世子の護衛武士キム・ビョンヨンを演じたクァク・ドンヨンは、親友である世子への忠誠心と、秘密結社「白雲会」の一員としての使命との間で引き裂かれる青年の苦悩を、圧巻の太刀筋とともに重厚に表現しました。