「軽自動車に乗れば劇的にガソリン代が浮くと思っていたのに、給油頻度が想像以上に多くて驚いた」
SNSや大手質問掲示板を調査すると、新世代の軽自動車オーナーからこうした戸惑いの声が頻繁に投稿されています。特に新車販売台数ランキングで上位を独占し続けるホンダ・N-BOXやスズキ・スペーシア、ダイハツ・タントといった「スーパーハイトワゴン」において、その傾向が顕著です。実際にN-BOXの維持費を検証すると、背が高く前面投影面積の広い四角いボディ形状と、1トン近くまで増加した車両重量が燃費面で重荷になっている現実が見えてきます。
都市部のストップ&ゴーが多い道路環境では、660ccの小排気量エンジンを高回転まで回す必要があります。その結果、カタログスペック上のWLTCモード燃費が20km/Lを超えていても、都心の渋滞路での実燃費は13〜15km/L程度まで落ち込む例が珍しくありません。一方、トヨタのヤリスハイブリッドやアクアといった高効率ハイブリッドのコンパクトカーは、市街地走行でも平然と25〜28km/L前後をマークします。
ここで重要なのが走行距離別のガソリン代の試算です(レギュラーガソリン1リットルあたり175円で計算)。
・年間5,000km走行(近所の買い物や送り迎えが主用途)
実燃費15km/Lの軽自動車:年間燃料費 約58,300円
実燃費25km/LのコンパクトHV:年間燃料費 約35,000円
差額:年間約2万3,300円(コンパクトHVの勝ち)
・年間10,000km走行(日常使い+週末のレジャー)
実燃費15km/Lの軽自動車:年間燃料費 約116,600円
実燃費25km/LのコンパクトHV:年間燃料費 約70,000円
差額:年間約4万6,600円(コンパクトHVの勝ち)
・年間15,000km走行(毎日の長距離通勤や高速利用)
実燃費15km/Lの軽自動車:年間燃料費 約175,000円
実燃費25km/LのコンパクトHV:年間燃料費 約105,000円
差額:年間約70,000円(コンパクトHVの勝ち)
年間走行距離が1万5,000kmに達すると、燃料代だけで年間約7万円もの差額が生まれます。前述した税金や車検代で浮かせた差額(約7万〜10万円)の大部分が、ガソリン代のマイナスによって相殺されてしまう計算です。自動車整備工場のベテランメカニックも取材に対し、「長距離を日常的に走るユーザーが、燃費の安さだけを期待して背の高い軽自動車を選ぶと、トータルの燃料費で思わぬ肩透かしを食らう」と証言しています。