個人が日常やビジネスで扱うハンコは、主に「実印」「銀行印」「認印」の3種類に大別されます。これらは用途だけでなく、背負う法的リスクの大きさが根本的に異なります。
実印は、住民票のある市区町村に印鑑登録を行った印章です。印鑑証明書とセットで用いることで、本人の確固たる意思表示とみなされ、法的に極めて強力な拘束力を持ちます。不動産の売買、住宅ローンの契約、遺産分割協議、会社設立など、個人の権利や財産が大きく動く場面でのみ限定的に使われます。偽造を防ぐため、フルネームの篆書体(てんしょたい)や吉相体(きっそうたい)など、第三者が容易に複製・判読できない書体で特注するのが鉄則です。
銀行印は、金融機関で口座を開設する際に届け出る印章です。預金の引き出しや口座振替の承認など、金銭管理の鍵となるため、実印や認印との兼用は厳禁とされています。紛失や盗難による預金の不正引き出しを防ぐため、姓のみを横彫り(右から左へ読ませる配置)で仕立てるケースが多く見られます。お金が上から下へ流れ落ちないようにという縁起担ぎの意味合いも含まれています。
認印は、役所や銀行への登録を行っていないハンコ全般を指します。郵便物の受け取りや社内回覧書類の確認、簡易な申込書などに幅広く使われます。誰が見ても一目で名前がわかるよう、楷書体や古印体などの可読性が高い書体で作られるのが一般的です。