ネットの高さについて、一般の愛好家や観戦者の間で見落とされがちなのが「どこを測って2.43mなのか」という計測の基準です。
ネット中央と両端(サイドライン上)は高さが異なる
実は、ネットは一直線に水平に張られているわけではありません。FIVB公式ルールブック第2条に明確に記されている通り、ネットの高さは「コートの中央」で測定されます。
ワイヤーでどれほど強く両サイドから引っ張っても、ネット自身の自重によって中央部分はわずかに沈み込みます。そのため公式競技規則では、「サイドライン上のネットの高さは中央より高くなければならないが、規定の高さより2cmを超えて高くなってはならない」と定められています。つまり、一般男子の場合、ネット中央が正確に2.43mであるとき、サイドライン上の両端は「2.43m〜最大2.45m以内」に収まっていなければ公認審判員からセットの許可が下りません。
試合前の厳密な計測ルーティン
公式試合の開始前、主審と副審が専用の計測ポール(検柱器)を用いてネットを測る光景を目にしたことがある方も多いでしょう。測定の手順は以下の3ステップで厳格に行われています。
- コート中央に測定器具を垂直に立て、2.43m(女子は2.24m)ぴったりであることを確認する。
- 左右のサイドライン真上の高さを測定し、中央と同一か、あるいは2cm以内の誤差に収まっているかを確認する。
- 両端の高さが左右対称であるかをチェックする(片側だけ2.45mで、もう片側が2.43mといった歪みは不合格となる)。
バレーボールのアンテナ規格と役割
ネットの両端に立てられている赤と白のゼブラ柄の棒、すなわち「アンテナ」の規格にも厳格なルールが存在します。
アンテナの全長は1.80m(直径10mm、グラスファイバー製などの柔軟な素材)と規定されています。ネットの幅が1.00mであるため、下部1mはネットの外側側面に固定され、上部80cmがネットの上へ突き出す構造です。10cmごとの赤白ストライプで塗られたこの80cmの空間は「サイドマーカー」の延長線上にあたり、ボールがこのアンテナの内側を完全に通過しなければアウト(フォルス)となります。