通年スクーリングを検討する際、候補に挙がる主要大学の制度設計には明確な個性があります。それぞれの特徴を整理します。
慶應義塾大学 通信教育課程(慶應通信)
日本で最も歴史と権威のある慶應通信では、三田キャンパスおよび日吉キャンパスにおいて通年スクーリング(通学課程の正規授業への合流)が制度化されています。三田の各学部(文・経・法)の専門科目を受講できる環境は、通信教育の枠を超えた学問的深さを誇ります。受講生からは「担当教授が通信生であることを意識せず、全日制学部生と全く同じレベルの口頭試問やレポートを求めてくるため鍛えられる」と高い評価を得ています。慶應通信の分厚い壁を突破するための最良の鍛錬場として機能しています。
法政大学 通信教育部
都心の一等地にそびえる市ケ谷キャンパスを持つ法政大学通信教育部は、スクーリングのバリエーションが極めて多彩です。通年スクーリングだけでなく、都心立地を活かした「夜間スクーリング(春期・秋期の平日18:30以降開講)」が強力に整備されており、平日昼間に動けない社会人は夜間に、時間の融通が利く学生は通年スクーリングにと、ライフスタイルに合わせた自在な組み合わせが可能です。実学重視の法学部・経済学部・経営学部のカリキュラムが充実しており、社会人の学び直し(リスキリング)において抜群の使い勝手を誇ります。
放送大学(面接授業との決定的な違い)
通信制の代表格である放送大学には、いわゆる「一般学部生と一緒に学ぶ通年スクーリング」という概念は存在しません。放送大学は全講義が通信教育として設計されているためです。その代わり、全国50カ所にある「学習センター」において、原則として土日の2日間(計8コマなど)で完結する独自の「面接授業」が年間に数千講座開講されています。平日通学が不可能な地方在住の社会人にとっては放送大学の面接授業が最もアクセスしやすい選択肢となりますが、1年間じっくり通学するキャンパス体験を望むなら慶應や法政のような併設型総合大学に軍配が上がります。