毎年多くのクラスで議論を巻き起こすのが、有名ブランドや飲料、ファストフード、映画ロゴを真似たパロディ風クラスTシャツの是非です。パロディ系は手軽に認知度の高いアイキャッチを作れるため人気を博してきましたが、2026年現在の現場では、コンプライアンス意識の高まりとともに大きな転換点を迎えています。
都内私立高校で体育祭実行委員長を務めた生徒は、当時の混乱を次のように明かします。「某大手スポーツブランドのロゴマークをそのまま使い、文字だけクラス名に変えたデザインを入稿したところ、業者から『商標権侵害の恐れがあるためプリントできません』と突き返されました。本番2週間前の段階でデザインの全面やり直しになり、クラス中から責められて地獄のような日々でした」。
主要なクラT印刷業者の取材データによると、近年は大手ECモールやプリント工場側でAIによる画像解析検知システムの導入が進んでおり、有名企業のロゴマークやアニメキャラクターの無断使用は一次審査で機械的に弾かれる体制が整えられています。「学校内の行事だから私的利用(著作権法第30条)で許されるはず」というネット上の言説は法的に誤りであり、営利企業であるプリント業者に制作を外注する行為は私的複製の範囲を明確に逸脱します。
そのため、2026年のスマートな制作現場では、ロゴそのものを完全コピーするのではなく、「フォントの配置やカラーリングの文脈だけをさりげなく拝借する」オマージュ手法や、クラス独自の完全オリジナル架空ロゴを作り上げる方向へとシフトしています。これなら審査落ちのトラブルを完全に回避できる上、「自分たちだけのオリジナル」という誇りも守られます。