カフェイン以上に知られていない重大なリスクが、栄養ドリンクの微量アルコールによる相互作用です。多くの生薬系栄養ドリンクは、生薬の有効成分を効率よく抽出し、液中での防腐安定性を保つ目的で、ごく微量(0.1mL〜0.9mL程度)のエタノールを含有しています。
「お酒ではないから問題ない」と見過ごされがちですが、総合感冒薬と相互作用を起こす点において極めて厄介な存在です。総合感冒薬の主成分であるアセトアミノフェンやイブプロフェンは、主に肝臓の代謝酵素(CYP2E1など)によって分解・代謝されます。アルコールが胃腸から吸収されると、肝臓はアルコールの無毒化処理を最優先するため、風邪薬の代謝プロセスが一時的に滞ります。
その結果、解熱鎮痛成分の血中濃度が想定外に跳ね上がって肝機能障害のリスクを急増させたり、逆に薬効が急激に失活したりする乱高下が起こります。わずかなアルコールであっても、発熱で脱水状態にある肝細胞にとっては無視できない代謝毒性となり得るため、風邪薬服用時のアルコール含有ドリンクの摂取は原則禁忌と考えるのが薬理学の常識です。