「窓側と通路側のどちらを選ぶべきか」という疑問は、乗車する時間帯や運行タイプによって答えが正反対に分かれます。バスの窓側と通路側どちらが酔わないかを判断する際は、外光環境と視覚刺激の性質を考慮しなければなりません。
まず、日中に走る観光バスで酔わない場所まとめや昼行の高速バスにおいては、窓側の座席が有利に働きます。車酔いを防ぐには「遠くの水平線や動かない山並みを見る」ことが効果的とされていますが、これは視野の周辺部で安定した水平基準を認識することで、三半規管からの揺れ信号と視覚情報の整合性を保てるためです。通路側に座ると前席のヘッドレストや乗客の動きなど「揺れている近景」ばかりが視界に入り、脳の感覚混乱を助長してしまいます。
一方で、夜行バスで酔いにくい座席の理由を検証すると、結論は完全に逆転します。夜間は遮光カーテンが完全に閉め切られ、車外の景色を見て平衡感覚を補正することができません。真っ暗な閉鎖空間では、窓側特有の「窓ガラスからの冷気」「車体壁面からの振動伝達」がストレスとなり、自律神経の乱れを誘発します。加えて、体調が悪化した際にいつでも立ち上がってトイレや乗務員席へ移動できる通路側のほうが精神的拘束感が少なく、心理的プレッシャーから生じる吐き気を大幅に軽減できます。