第四脳室とは?命を支える循環の要と腫瘍・拡大が招く危険なサイン

第四脳室とは?命を支える循環の要と腫瘍・拡大が招く危険なサイン

第四脳室とは?命を支える循環の要と腫瘍・拡大が招く危険なサインの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。

第四脳室は、脳腫瘍の好発部位でもあります。特に小児期における後頭蓋窩腫瘍の頻度は高く、成人と小児で発生する腫瘍の性質や予後は大きく異なります。第四脳室内に発生する病変の中で、代表格とされるのが「上衣腫(エペンディモーマ)」と「髄芽腫(メデュロブラストーマ)」です。

上衣腫は、脳室壁を裏打ちする上衣細胞から発生するグリオーマの一種です。第四脳室の上衣腫はプラスチックのように柔軟に変形しながら、ルシュカ孔や大後頭孔へと「這い出る」ように浸潤発育する特徴を持ちます。WHO脳腫瘍分類においてグレード2または3に分類され、完全摘出の可否が生存率を大きく左右します。小児の上衣腫は成人に比べて生物学的な悪性度が高く、分子標的や遺伝子変異(PFA型やPFB型など)に基づくリスク層別化が現在の標準となっています。

対照的に、髄芽腫は小脳虫部(第四脳室の天井部分)から発生し、第四脳室を急速に占拠する小児期最多の悪性脳腫瘍(WHOグレード4)です。急速に増大するため、発症から数週間で急激な頭蓋内圧亢進症状(激しい頭痛、嘔気、意識混濁)を呈します。髄芽腫は脳脊髄液を介して全脳や脊髄へ「播種」しやすい性質を持ちますが、放射線治療や多剤併用化学療法への感受性が高く、集学的治療の確立によって標準リスク群の5年生存率は約80%に達するようになっています。

成人において第四脳室近傍に発生する腫瘍としては、血管芽腫(フォン・ヒッペル・リンドウ病に関連するものを含む)や脈絡叢乳頭腫、類表皮腫(類上皮腫)などが挙げられます。これらは良性であることが多いものの、占拠部位が生命維持中枢に近接しているため、サイズが小さくても重篤な運動失調や嚥下障害、呼吸抑制を引き起こすリスクを孕んでいます。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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