世界的な統計において西欧諸国のメディアが軽視しがちな盲点となっているのが、アジアの人口重心がダイレクトに反映されるラケットスポーツの存在感です。国際テニス連盟の普及活動を尻目に、卓球競技人口世界一論争やバドミントン世界競技人口の規模は、欧米の常識をはるかに上回る数値を叩き出しています。
国際卓球連盟(ITTF)の関連調査によると、日常的にラケットを握る卓球の競技人口は約3億人に達しています。この巨大な数字を牽引しているのが、卓球を国技と位置づける中国です。中国国内では学校、公園、集合住宅のコミュニティスペースに至るまで無数の卓球台が設置されており、国家主導のエリート育成システムだけでなく、日常的な社交ツールとして全世代に浸透しています。天候を選ばず、生涯を通じて身体負荷をコントロールできる利便性が、巨大な競技母体を維持させています。
同様にバドミントンも推計2億2,000万人規模の競技層を擁しています。インドネシアやマレーシアでは国民的スポーツとして絶大な地位を確立しており、近年ではインドや日本、中国の国際大会での躍進によってアジア全域に競技熱が波及しました。シャトルとラケットさえあれば狭いスペースでも成立する手軽さと、激しいフットワークを要求される高度な競技性の両面を併せ持つことが、新興国における若年層の爆発的な参加を促しています。