ネット上には「鼻ニキビは脂分を徹底的に洗い流せば治る」「オロナインを厚塗りして絆創膏を貼れば一晩で消える」といった民間療法が散見されますが、これらは皮膚医学的には明白な誤りです。
鼻のテカリやベタつきを気にするあまり、スクラブ入りの洗顔料で1日に3回以上ゴシゴシ洗う行為は、肌の水分蒸発を防ぐ角質細胞間脂質(セラミドなど)まで根こそぎ奪い去ります。バリア機能が破壊された皮膚は、乾燥の危機を感じて防衛反応を起こし、以前にも増して大量の皮脂を分泌させます。これがいわゆる「インナードライ型皮脂過剰」であり、皮脂を取り去るほどニキビが増殖するという皮肉な結果を招きます。
また、外来治療の現場において頻繁に指摘されるのが、現代人の食生活におけるビタミンB群の不足です。特にビタミンB2は脂質の代謝を司り、ビタミンB6は皮膚の新陳代謝やホルモン代謝を正常に保つ役割を持ちます。外食中心の食生活や過度な糖質摂取により体内のビタミンB群が枯渇すると、皮脂の分泌コントロールが失調します。スキンケアのボトルを買い替える前に、まず着手すべきは洗顔方法の見直しと、栄養バランスの抜本的な再構築です。