症状が出た際、多くの人が直面するのが「拍動性耳鳴りは何科を受診すべきなのか」という迷いです。結論から言えば、耳鼻咽喉科と脳神経外科の連携受診が医療における鉄則です。
ステップ1:まずは耳鼻咽喉科で外耳・中耳の器質的疾患を除外
耳鼻科では、鼓膜の視診、純音聴力検査、ティンパノメトリー(鼓膜の動きの検査)を実施します。耳垢の詰まり、中耳炎、あるいは耳小骨に付着する微小な筋肉(アブミ骨筋など)の痙攣によって拍動性の雑音が知覚されているケースをまず除外するためです。耳鼻科的な検査で聴力にも耳の構造にも一切異常が認められないにもかかわらず、本人の耳には心拍に合わせた音が響き続けている場合、疑いは一気に「血管性病変」へとシフトします。
ステップ2:速やかに脳神経外科でMRI/MRA検査を実施
耳鼻科で異常が見つからない場合、あるいは最初から片耳だけに強い拍動音を自覚している場合は、躊躇せず脳神経外科の門を叩いてください。ここで不可欠となるのが、拍動性耳鳴りの検査としての頭部MRIおよびMRA(磁気共鳴血管撮影)です。
通常のCT検査では捉えきれない微細な血管の走行異常や、静脈洞内の血流シグナルの乱れをMRI/MRAは極めて高い精度で検出します。さらに詳細な病変部を特定するため、造影剤を用いた3D-CTAや、カテーテルを太ももや手首から挿入して直接造影する脳血管撮影(DSA)へと進むことで、確定診断が下されます。