家づくりブログやSNSのコミュニティ、知恵袋などの相談現場では、「犬走りは本当に必要なのか?予算を削るために真っ先にカットした」「結局使わない場所にお金を払いたくない」といった声が散見されます。なぜ不要論が根強く存在するのか、施主の本音を分析すると以下の3つの構造的要因が浮かび上がります。
第一に、「日常的に足を踏み入れないデッドスペースへの投資忌避」です。特に共働き世帯では庭や勝手口の出入り頻度が減っており、「見えない家の裏側にお金をかけるなら、リビングの内装やキッチンのグレードアップに回したい」という心理が働きます。第二に、都市部の狭小地問題です。隣地境界との距離がわずか50〜60cmしかない敷地では、室外機や給湯器を置くだけで通路が塞がり、「わざわざコンクリートを打っても人が通れない」という実情があります。そして第三が、「ハウスメーカーの標準仕様外による割高感」です。外構工事を本体工事から切り離して契約する場合、狭い敷地奥への重機搬入費や残土処分費が上乗せされ、見積額が跳ね上がることが不要論に拍車をかけています。
しかし、安易に「不要」と決断した施主が数年後に語るリアルな体験談には、過酷な後悔が溢れています。
大手住宅情報コミュニティや実例インタビューで最も多く報告されるのが、「梅雨から夏にかけての地獄の草むしり」です。「節約のために土のまま引き渡してもらったが、わずか2ヶ月で背丈ほどの雑草が生い茂り、蚊やナメクジ、ムカデの温床になった」「狭い隙間にしゃがみ込んで草を抜くのが腰への重労働で耐えられない」という悲鳴が上がっています。また、「エアコン室外機の裏側にドクダミやスギナが根を張り、機械内部に入り込んで故障の原因になりかけた」というケースも報告されています。
さらに深刻なのが、泥はねによる外壁と基礎の汚損です。白やベージュ系の明るいサイディングや塗り壁を採用した住宅では、激しい雷雨の翌日に地面から50cmほどの高さまで茶色い泥水が飛び散り、「新築わずか半年で外壁が泥染みになり、高圧洗浄機でも完全には落ちなくなった」という手記も存在します。犬走りの施工をケチった結果、美観の喪失と過酷なメンテナンス負担を背負い込む実態が見て取れます。