世間では「バストの形や大きさは母親から受け継ぐ」という俗説が根強く信じられています。しかし、遺伝学の根本原則に基づけば、受精卵が受け取る常染色体は母親由来が50%、父親由来が50%であり、母親と父親どちらの遺伝が優位に働くかは個々の受容体遺伝子によって完全に五分五分です。
父親自身には乳房の発達は見られないものの、父親のゲノム内には「女性ホルモンに対する感受性」「脂肪細胞の蓄積パターン」「乳腺組織の密度」に関する遺伝情報がしっかりと内包されています。臨床現場でも、父親側の遺伝による胸のサイズ影響を強く受けている女性は非常に多く確認されています。母親がスレンダーであっても、父親側の家系(祖母、叔母、従姉妹など)に豊かな体型の女性が多い場合、その体質が娘へと顕在化することは医学的に極めて自然な現象です。
世代を飛び越えて現れるバストサイズの隔世遺伝も、この複合的な遺伝子交差によって引き起こされます。両親の表現型(外見)には現れていなかった潜在的なホルモン受容体の遺伝情報が、偶然娘の代で優性として結びつくことで、親族内の誰も予想しなかったバストサイズへと発達する事例が日常的に見受けられます。「母に似ていないから遺伝ではない」と断定するのは明らかな誤解です。