現在の賑わいを生み出したウルトラマン商店街誕生の経緯は、全国の商店街再生モデルとしても極めて先進的な事例として知られています。
2000年代初頭、郊外型大型商業施設の台頭や後継者不足により、祖師ヶ谷大蔵駅周辺の商店街も活性化の転換点に直面していました。駅を挟んで北側に位置する「祖師谷商店街」「祖師谷昇進会商店街」、そして南側に広がる「祖師谷みなみ商店街」の3つの振興組合は、かつてはそれぞれ独立して活動していました。しかし、「円谷プロ発祥の街」という唯一無二のアイデンティティを掲げ、2005年4月に3商店街が一体化。総延長約2,500メートル、加盟店数百店舗を誇る日本屈指のロングストリート「ウルトラマン商店街」が誕生したのです。
商店街化に伴い、街の景観は一変しました。特に象徴的なのが、2006年に祖師ヶ谷大蔵駅北口広場に建立された祖師ヶ谷大蔵ウルトラマン像です。高さ約2.5メートル(台座含む)のモニュメントは、右手を高く掲げた力強いファイティングポーズで空を睨み、訪れる人々を出迎えています。記念撮影スポットとして定着したこの像は、単なるモニュメントにとどまらず、街の治安を見守る守護神のような存在として地域住民からも親しまれています。
さらに同年3月には、小田急電鉄の協力により祖師ヶ谷大蔵駅発車メロディが導入されました。上りホーム(新宿方面)には勇壮な『ウルトラセブン』の主題歌、下りホーム(小田原方面)には親しみ深い初代『ウルトラマン』の主題歌が流れ、電車が発着するたびに訪れる人々を高揚させます。耳からも目からもヒーローの世界観に浸れる仕掛けが、駅空間全体に張り巡らされているのです。