庭木の手入れに関するSNSの投稿や大手質問掲示板(Yahoo!知恵袋など)を精査すると、毎年5月と11月前後には「親から実家の松を引き継いだが手入れの仕方が分からない」「自分でやってみたら葉先が全部枯れて茶色いブラシのようになった」といった悲痛な声が何百件と寄せられています。
典型的な初心者の失敗原因と対策を検証すると、多くの愛好家が「剪定ばさみで葉の途中をジョキジョキと散髪のように切り詰めてしまう」という罠に陥っていることが分かります。松の針葉は途中で切断されると、その断面から水分が抜けて先端が赤茶色に壊死します。遠目から見ると木全体が枯死したかのように見苦しい赤茶色に変色し、この状態は翌年の生え変わりまで解消されません。葉の長さを詰めたい場合でも、葉そのものを切るのではなく、余分な芽を根元から間引くのが正しい技術です。
また、現場の植木職人が一様に指摘するのが「高所作業による事故の危険性」です。脚立の最上段に乗って両手で松の葉をもみあげている最中、バランスを崩して転落する事故は後を絶ちません。職人は三脚脚立を地面に深く食い込ませ、幹に体を密着させて安全帯を用いながら作業しますが、素人が一般のはしごを用いて高さ4メートルを超える松に挑むのは極めて危険です。樹高が2階の軒先に達するような大木については、無理に自力で完結させようとせず、危険な高所だけでも専門業者に依頼する判断が賢明です。