「ゴミ袋に入れて埋め立てや焼却に回すのではなく、資源としてリサイクルできないのか」という環境意識の高まりを受け、国内主要作業靴メーカーの回収プログラムにも大きな動きがみられます。
業界最大手のミドリ安全は、サーキュラーエコノミーの先駆者として独自の広域認定制度を活用したリサイクル回収システムを確立しています。使用済みの安全靴を回収し、ソールゴムを再生ゴム製品へ、アッパーの革や繊維を固形燃料(RPF)へと再資源化する体制を整備しています。ただし、このシステムは基本的に排出企業との契約に基づく法人向けソリューションであり、個人が履き古した靴を1足単位で営業所へ持ち込んでも受け付けてもらえない点が盲点となっています。
一方、スニーカータイプ安全靴のトップブランドであるアシックス(ASICS)や、現場ワーカーの生活インフラとなったワークマンの対応はどうでしょうか。アシックスではサステナビリティ推進の一環として全社的な衣類・シューズ回収実証実験を展開していますが、先芯や踏み抜き板などの硬質複合部材を多く含む安全靴に関しては、リサイクルラインの破砕負荷が大きいため一般スニーカー回収箱への投入は対象外とされるケースが一般的です。ワークマンの下取り状況についても、不定期で行われる下取りキャンペーンや一部旗艦店での古着回収ボックスはあるものの、芯入りの安全靴・セーフティシューズは解体選別コストの兼ね合いから常時回収の対象外となっているのが現状です。
つまり、2026年最新の回収事情を冷静に分析すると、個人ユーザーが近隣店舗に持ち込んで無条件で無料引き取り・リサイクルしてもらえる窓口は極めて限定的です。メーカー主導の回収スキームが一般個人に広く浸透するまでは、居住地の自治体ルールに従って正しく家庭ゴミとして処理するのが最も確実な選択肢となります。