「なぜ春になると、警察はこれほど執拗に取り締まりを強化するのか」という疑問に対し、多くのドライバーはノルマ達成のためだと邪推しがちです。しかし、警察庁・内閣府の交通安全方針ニュースや交通事故統計を精緻に読み解くと、極めて切実かつ冷酷なデータが浮かび上がってきます。
最大の理由は、新学期に伴う「魔の7歳」と呼ばれる小学1年生の死傷事故リスクの急増です。警察庁の長期統計において、歩行中の児童の交通事故死傷者数は7歳(小学1〜2年生)が群を抜いて高く、6歳と比較しても約2倍に跳ね上がります。春は未就学児から児童へと生活圏が一気に広がり、保護者の手を離れて集団登校や下校を始める時期です。視野が狭く突発的な飛び出しを起こしやすい子供たちを、ドライバーの不注意から守るため、警察当局はこの時期に生活道路での締め付けを物理的に最大化させています。
さらに2026年特有の事情として、道路交通法改正による「自転車の交通違反に対する反則金制度(青切符)」の本格施行に向けた、社会全体の遵法意識の底上げが挙げられます。信号無視や一時不停止、携帯電話を使用しながらの危険な自転車運転に対して実効性のあるメスを入れるため、車輪を持つすべての乗り物に対して取り締まりの基準が格段に厳格化されているのが今年の現場の真実です。