物語の軸となるのは、小柄な身体で圧倒的なジャンプ力を誇る主人公・日向翔陽と、圧倒的なセンスを持ちながらも他者との衝突を繰り返していた孤高のセッター・影山飛雄のふたりだ。二人が烏野高校排球部で出会い、ぶつかり合いながら最強の相棒へと進化していく過程には、幾つもの名シーンが散りばめられている。
「お前がコートに君臨する“王様”なら そいつを倒して 俺が一番長くコートに立ってやる」――中学時代の苦い敗戦を経て、日向が影山に言い放ったこの宣言は、ふたりの競い合いと信頼の原点となった。挫折を知る者同士が互いを認め合い、高め合っていく姿は、観る者の感情を強く揺さぶる。
また、影山が「勝つために必要なトス」の真意に達し、日向に対して放つ一言ひとことには、個の能力を最大限に引き出すための冷徹なまでの情熱が宿る。「負けたくないことに理由って要る?」という問いかけは、勝負の世界の本質を鋭く突き刺し、大人が忘れがちな純粋な情熱を思い出させてくれるのだ。