読者の間で最も関心が高かった「二人が選んだ未来と気になる恋の真相」は、最終第10巻で描かれた堂々たるフィナーレに集約されています。結論から言えば、物語は若梅さほ子と桐ヶ谷皇太が真の信頼関係を結び、未来を共に歩む大団円のハッピーエンドを迎えました。
皇太は自らの言葉でファンや事務所に向き合い、アイドルとしての活動を全うしながらも、一途にさほ子を愛し抜く覚悟を行動で示します。一方でさほ子も、かつての自己否定や劣等感を克服し、「皇太の隣に胸を張って立てる自分」へと精神的な成長を遂げました。誰かに決められた幸せではなく、自分たちの手で掴み取った居場所。最終回では、過剰な世間のノイズに惑わされることなく、揺るぎない絆で結ばれた二人の姿が描かれています。
読者の間では、アイドルが恋愛を全うするというセンシティブなテーマに対し、どのような着地点を迎えるのか注目されていました。しかし、幸田もも子氏はアイドルファンへの敬意を損なうことなく、同時に一途な純愛の尊さを描き切るという見事な筆致で物語を完結へ導きました。「夢を売る立場」と「生身の青年の恋心」を誠実に調和させたこのラストシーンこそが、ファンの間で名作と称えられる所以です。