ネット上の情報だけを頼りにDIYで作業を進めた結果、「エンジンがかからない」「組んですぐに異音が出て止まった」というトラブルに見舞われるケースは後を絶ちません。ボアアップにおける失敗の多くは、基本的なクリアランス管理と慣らし運転の不足に起因しています。
特に注意すべきは、社外ピストンや流用ピストンを使用する際のピストンリングの合口隙間チェックや、ベースガスケット抜けによる二次エアの吸い込みです。二次エアを吸うとアイドリングが不安定になるだけでなく、急激な混合気のリーン化を招き、即座にシリンダー内部を破壊します。
組み上げ直後は、急激な全開走行を避け、最低でも100〜200km程度の慣らし運転を行うのがセオリーです。各部のボルトの増し締めやプラグの焼け色確認をこまめに繰り返し、少しずつ負荷をかけていく地道な作業こそが、トラブルフリーで長く乗り続けるための唯一の近道です。