インターネットの掲示板やSNS、動画配信プラットフォームにおいて、「慰霊の森」は長年「行くと祟られる」「霊が出る」といった悪質なオカルトコンテンツの題材にされてきました。しかし、現地取材と歴史的検証を行えば、そうした噂がいかに根拠のない歪曲であるかが明白になります。
1990年代後半から2000年代にかけてのネット創成期、山奥にある階段や石碑というロケーションと、162名が命を落とした大事故というセンセーショナルな悲劇性が結びつけられ、無責任な創作怪談が一人歩きしました。肝試し目的の侵入者が敷地内で騒いだり、ゴミを散らかしたりする行為は、遺族や地元住民の心を幾度となく深く傷つけてきました。
実際の森のしずく公園には、おどろおどろしい気配など一切ありません。春には新緑が芽吹き、夏には静寂の中にセミの声が響き、秋には紅葉が慰霊碑を包み込む、極めて清らかで静謐な空間です。オカルト的な好奇心で訪れる場所ではなく、かけがえのない命への敬意を捧げる場所であるという事実を、訪れる者は肝に銘じる必要があります。