物語の軸を担うのは、建築確認検査員として真面目に生きてきたシングルファザー・白河圭太だ。主演の向井理は、娘を奪われた父親の絶望、そして自らも過去に罪を抱える人間の脆さを生々しく体現してみせた。これまでの爽やかなイメージを覆し、追い詰めては追い詰められていく男の悲壮感と執念を演じ切った彼の演技は、作品全体の緊迫感を決定づける大きな要素となった。
制作を手掛けた関西テレビ放送の演出陣は、登場人物たちの日常にひそむ歪みを巧みにすくい上げ、フジテレビジョンのゴールデン帯枠に新たな風を吹き込んだ。登場人物全員が何かしらの「秘密」を隠し持っているという設定は、単なる犯人捜しを超えた心理サスペンスとして機能し、視聴者を深く物語へ引きずり込んだ。