東京・銀座の老舗果実店。アクリルケースに恭しく納められた大粒の苺に、3,000円の値札が躍る。「高い」と怯む客はいない。入荷と同時に飛ぶように売れていくのだ。買い求めるのは富裕層ばかりではない。週末のご褒美を求める若者や、海外からのインバウンド客が列をなす。
果物を「日常の食材」ではなく「究極の嗜好品・贈答体験」へとシフトさせた市場戦略が見事にハマった。糖度18度を超える超高糖度品種や、完熟直前に特殊な光照射を行って芳醇な香りを引き出す技術など、価値の作り方が根底から変わっている。舌の上で弾ける圧倒的な濃厚さに、消費者は迷わず財布を開く。