現代サッカーにおいて、日本代表のダブルボランチ戦術は従来の「配球役と潰し役」という固定的な分業から、「攻守シームレスな可変システム」へと完全な進化を遂げました。特に守田英正が中盤底からインサイドハーフの位置、時には左サイドバックのレーンへと顔を出すフリーマン的な動きを見せることで、相手のプレッシングを無力化する構造が確立されています。
一方で、守田が攻撃の組み立てに関与できる最大の理由は、相棒である遠藤航の卓越したアンカー守備力にあります。遠藤はプレミアリーグの激しいトランジション(攻守の切り替え)の中で培った予測力とコンタクトスキルにより、広大なスペースを単独でケアすることが可能です。相手のカウンターを中盤で未然に防ぎ、セカンドボールの回収率で80%以上の優位性を保ち続けることで、前線のタレントたちがリスクを恐れずに仕掛けられる環境を生み出しています。
「航が後ろにいてくれる安心感があるからこそ、自分の直感に従って前へポジションを取れる」と守田自身が特番インタビューで語った通り、この2人の間には阿吽の呼吸と相互補完関係が成り立っています。単なる個々の能力の足し算ではなく、掛け算として機能するメカニズムこそが、強豪国をも脅かす最大の要因です。