北九州市小倉南区下石田の地に根ざす「石田一龍 本店」は、北九州ラーメンの勢力図を大きく塗り替えた立役者として知られています。かつて開催された「北九州ラーメンフェスティバル」において連覇を達成し、圧倒的な得票数で殿堂入りを果たした実績は、単なる一過性のブームではない確固たる実力を証明しています。
店主の新森雄二氏が掲げる哲学は「一切の妥協を排した直球の豚骨」。大量の豚骨を部位ごとに厳選し、巨大な羽釜で骨の髄が溶け出すまで何十時間も強火で炊き上げる製法は、職人の体力と技術の限界を試す過酷な作業です。寸胴から立ち上る骨の香りと熱気のなか、丁寧なアク取りと攪拌を繰り返すことで、豚骨特有の臭みを完全に抑え込み、純粋な旨味とコラーゲンだけを高濃度に抽出したスープが完成します。
この徹底した現場主義が生み出すスープは、一口飲むだけで舌の上に重厚なコクを残しつつ、喉越しは驚くほど滑らか。小倉南区でラーメンのおすすめを尋ねられた際、地元民が真っ先にその名を挙げる理由がここにあります。