かつてラフォーレ原宿の日本1号店に続き、鳴り物入りでオープンした同店がなぜ撤退に至ったのか。運営元からのネガティブな要因に関する直接的な詳細発表はないものの、都市型商業施設を取り巻く構造変化と外食産業のポートフォリオ再編を照らし合わせると、いくつかの明確な要因が浮かび上がってきます。
第一に挙げられるのが、都心型ファッションビルにおける「定期建物賃貸借契約」の節目です。渋谷モディをはじめとする大型商業施設では、数年スパンで大規模なMD(マーチャンダイジング)改編が断行されます。トレンドの移り変わりが極めて激しい神南エリアにおいて、飲食フロアの刷新サイクルと契約更新のタイミングが重なったことが直接の契機と見られています。
第二に、GYG国内展開における「立地モデルのシフト」です。ブランドを日本国内で展開するトランジットジェネラルオフィス関連の動向や近年の出店傾向を分析すると、都心一頭地の狭小・高家賃フロアから、イクスピアリ(舞浜)のような体験型エンターテインメント施設、あるいはファミリー層や車移動層を効率的に取り込める郊外型ロードサイド・大型SCへと投資リソースが再配分されています。客単価1,000円〜2,000円前後のファストカジュアル業態において、渋谷特有の坪賃料高騰とオペレーションコストの上昇は、利益率を圧迫するシビアな経営課題であったことは想像に難くありません。