キメラアントの頂点に立つメルエム役の決定には、綿密な選考が行われました。キメラアント王の声優オーディションにおいて、制作陣が求めたのは単なる「悪の首領」のような低い怒号や誇張された悪役声ではなく、「絶対的な知性と冷徹さ」、そして「生まれたばかりの赤子のような無垢さ」が同居する特異な声質でした。
内山さんはオーディション時、王としての傲岸不遜な強大さだけでなく、生物としての圧倒的な静けさと知性を意識してアプローチしたと語られています。大仰に叫ぶのではなく、淡々と放たれる言葉の中に抗えない恐怖を宿らせる内山さんの演技プランは、監督をはじめとする制作陣の構想と見事に合致しました。
現場でのディレクションにおいても、物語の進行に合わせてメルエムの精神的成長を声の抑揚や息遣いに反映させる繊細な作業が続けられました。この緻密な役作りこそが、ファンを唸らせたメルエムの演技力の評判へと直結しています。