2018年の秋。バンテリンドーム ナゴヤに鳴り響いた歓声は、今もファンの記憶に鮮明に残っている。ドラフト1位で指名された彼に用意されたのは、かつて立浪和義をはじめ球団のレジェンドたちが背負ってきた伝統の「背番号7」だった。野手としてのポテンシャルを高く評価し、将来のクリーンナップ、そしてチームの顔として育て上げるという球団の揺るぎない覚悟がそこにはあった。
だが、プロの壁は高かった。ショートや外野手としてポジションを転々としながらも、打席での試行錯誤は続いた。抜群のアスリート能力を持ちながらも、一本立ちへの道筋は見えづらい。ファンの期待が重圧へと変わる中、マウンドに立った際の圧倒的なボールのキレが、誰も想像しなかった新たな扉を開くことになる。