SNSや看板で目を引く「生ビール199円」「ハイボール99円」といった極端な低価格設定を目にして、「なぜこの価格で利益が出るのか」と疑問を抱いたことがある方は多いはずです。渋谷生ビール破格居酒屋の理由を取材していくと、飲食店経営における精緻な原価構造と集客フックのロジックが浮かび上がってきます。
一般的に、居酒屋におけるビールの原価率は35〜45%程度と高めですが、ここを原価割れに近い価格で提供することで圧倒的な集客力を生み出しています。その一方で、原価率が10〜20%程度と極めて低い揚げ物やスピードメニュー、そしてお通し代(席料として300〜500円程度)を設定することで、テーブル全体の粗利益をコントロールしているのです。さらに、グラス交換制の徹底や滞在時間の制限(基本2時間制)を設けて客席回転率を極限まで引き上げる運用が採られています。
こうした価格構造を理解した上で楽しめるのが、いわゆる渋谷大衆酒場せんべろの真相です。昭和レトロな世界観と圧倒的な低価格で駄菓子や串カツを提供する「薄利多賣半兵ヱ」や、道玄坂エリアで古くから愛され独自の活気を放つ「居酒屋 幸ちゃん」、全品均一価格を貫く「鳥貴族」などは、計算されたオペレーションによって千円台前半での満足感を実現しています。仕組みを理解し、ドリンク中心で軽やかにつまむ飲み方を心得ている人にとっては、まさに心強い味方と言えます。