SNSや大手Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)を定点観測すると、「自分のメールアドレスが急に分からなくなった」「画面に表示されている英数字がメールアドレスなのか判別できない」という相談が後を絶ちません。サポート窓口の関係者への取材でも、機種変更時や認証トラブル時におけるアドレス照会の問い合わせは全体の問い合わせ件数の上位を占め続けています。
この混乱が生じる背景には、近年のITプラットフォームの複雑化があります。ユーザーは単一のアドレスを使っているつもりでも、実際には以下のような「多層構造」に囲まれています。
第一に、「OSアカウント」と「連絡用メール」の乖離です。iPhone購入時にキャリアショップで設定されたApple IDが、普段連絡に使っているキャリアメール(docomoやau等)ではなく、その場で新規作成したiCloudアドレスになっているケースがあります。利用者は「自分のアドレス=携帯会社のもの」と思い込んでいるため、認証時に不一致を起こします。
第二に、「プライベートリレーやエイリアス機能の普及」です。セキュリティ保護のためにAppleの「メールを非公開」機能などを使用すると、ランダムに生成された転送専用アドレス(例:xxxx@privaterelay.appleid.com)が登録され、ユーザー本人が登録アドレスを認識できない状態に陥ります。