魚焼きグリルを敬遠する最大のハードルは、「激しい煙と部屋に残るニオイ」、そして「ギトギトに汚れた受け皿と網の掃除」です。しかし、煙が発生するメカニズムを正しく理解していれば、煙も汚れも最小限に抑え込むことが可能です。
グリル調理中に煙が立ち上る原因は、秋刀魚そのものが燃えているからではありません。網から滴り落ちた脂が、250〜300℃以上に熱せられた受け皿の金属面に触れて気化・不完全燃焼を起こすことが煙の主因です。つまり、落ちた脂を過熱させない環境を受け皿に作れば、煙はほぼ発生しません。
水ありグリルの場合、一般的な水を入れるだけでなく、プロの現場でも裏技として知られる「水溶き片栗粉テクニック」が極めて有効です。
受け皿の水に片栗粉(水300mlに対して大さじ3〜4杯程度)をしっかり溶いてから点火します。調理中に落ちた秋刀魚の脂は、片栗粉の溶液中に取り込まれます。調理後、グリルが冷えると片栗粉が脂ごとゲル化してプルプルの膜状に固まるため、あとは端からベリベリと剥がして可燃ゴミとして捨てるだけで掃除が完了します。スポンジを油まみれにしてゴシゴシ擦る必要は一切ありません。
水なしグリルを使用している家庭では、受け皿全体に重曹を薄く敷き詰める手法や、市販の魚焼き用波型アルミホイルを網の上に敷くアプローチが現実的です。専用アルミホイルを使用する際は、波型の溝に脂が落ちる構造になっている製品を選び、脂が電熱線やバーナーの直下へ流れ出さないよう端を少し折り曲げて立ち上げるのが安全かつクリーンに焼き上げるコツです。