彼の経歴は実にユニークだ。東京大学大学院情報理工学系研究科を修了という傑出した頭脳を持ちながら、ピティナ・ピアノコンペティションで特級グランプリを受賞。さらに第18回ショパン国際ピアノコンクールでセミファイナリストとなり、世界的な評価を決定づけた。
この理系的アプローチと直感的な芸術性の融合は、彼の生活スタイルそのものにも影響を与えている。音響工学の研究で培った視点は、日常の空間づくりや音へのこだわりにも波及する。ピアノの前で何時間も思索を深める集中力を思えば、生半可な気持ちでプライベートに他者を踏み込ませない慎重さがあるのも頷ける。