アカデミー賞の行方を握る映画芸術科学アカデミーの会員構成は、近年急速なグローバル化が進んでいる。かつては北米在住のベテラン映画人が選考の中心であったが、多様性を重視する改革の一環として、世界各国の監督やプロデューサー、技術者が新たに投票権を獲得した。
選考の裏側で決定的な役割を果たしているのが、受賞キャンペーンの戦術変化だ。北米での限定公開から口コミによる評判の拡散、さらには批評家協会賞の受賞ラッシュを戦略的に組み合わせることで、ノミネート投票の締め切り直前にアカデミー会員の視線を一気に集める手法が確立された。
会員の間では「日本作品のスクリーニング盤が届くと、真っ先に再生する」という声も聞かれる。映像技術の高さや脚本のオリジナリティに対する信頼感が確立されたことで、かつてのような高いハードルは消え去り、作品の純粋な質だけで公平に競い合える環境が整いつつある。